カメラマンの渡部サミーと言います。
実は結婚式を一番良く観ているのはフォトグラファーだったりします。
僕がファインダー越しに観た結婚式のコツをこれから結婚する二人に届けられたら幸いです。
質問にも答えて行きたいと思います。
みんなでいい結婚式を創って行きましょう。

2011年5月26日木曜日

写真はストーリーを奏でるか?







くどいようだが僕たちはただ結婚式の写真を撮っている訳ではない。
人生を撮っている。
たまたまそれが結婚式だった、そんな感じだ。
ちょっと大げさに聞こえるかも知れないが、コンビニでの買い物もDVD鑑賞もお昼寝も結婚式も全て人生の一部に過ぎない。
僕たちはただそれを撮っていく、依頼人の希望に添う様に持てる力を全て駆使して、あるがままをあるがまま以上に撮っていく。
厳密に言えばそこにドラマや映画の様なストーリーはあまり無い。
ただ結果としてそういったものが写真に付いて来る事は多い。
撮影中はあくまでニュートラルに全てに反応出来るよう心掛けている。
だからこそ見る人によって写真の意味が変わってくるのかも知れない。
写真はそれでいい。
僕たちはディレクターでは無い、単なる記録者だ。
記録された写真は見る者の中で物語へと変わっていけばいい。

2011年5月19日木曜日

結婚写真は映画のワンシーンの様に常に想像の斜め上をいく






どの会場でもそこにしかない特徴や雰囲気がある。
どこまでそれを表現出来るかもフォトグラファーは試されている。
結局その会場も二人が気に入って選んだ二人の「色」なのだ。
写真を納品する際にただ満足されるだけではダメだ、感動させなければならない。
その一端を担っているのが会場の雰囲気だ。
映画のワンシーンの様に、二人が美化した少し斜め上をいくぐらいがいい。

2011年5月15日日曜日

結婚式の写真はガンプラに似ている






始めにプラモデルの説明をしようと思う。
ガンプラと呼ばれるものには大きく分けて4種類のグレードがある。
上からパーフェクトグレード(PG)、マスターグレード(MG)、リアルグレード(RG)そして、ハイグレード(HG)だ。
PGは文字通りパーフェクトなもので内部メカニズムの再現はもちろん指の関節まで動く、総パーツ数1000点を超える事もある1万円以上の高級プラモだ。
MGはPGが出るまで究極のガンプラを目指していただけあり可動範囲が広くパーツ毎に色分けされているなど現在ではプラモデルのスタンダードの地位を築いている。大体4000円前後の1/100スケールのプラモだ。
RGは他のプラモと少しコンセプトが違う。PG、MGが高級なおもちゃなのに対しRGはロボットの型的な打ち出し方をしている。内部フレームに装甲をはめていくといった実際の構造設定に近い設計がされている。文字通りリアルを追求している。HGと同じ1/144でありながら可動範囲は全種類最大を誇る2625円のプラモだ。
HGはいわゆる普通のプラモで、価格も1000円前後とお手軽でなおかつクオリティーが高くプラモ入門にはもってこいの仕様になっている。とは言え設計図無しでつくるのは無理だろう。

とマニアックに語ってみたが、何もガンプラを勧めている訳ではない。
実は結婚式のスナップ写真はプラモデルを作る行為に似ていると言いたかったのだ。
設計図を見ながら一つ一つ丁寧に切り取りはめていく。
しかも僕たちが目指しているのはパーフェクトグレードだ。
1000カット以上のパーツを精密に組み立てていく。
設計図無しでは到底不可能な作業だ。
設計図とは打ち合わせであり、会って話す事全てが設計のヒントになっていく。
打ち合わせ無しの写真ではどんな天才でもハイグレードを組み立てるのが精一杯だ。
リアルグレード以上を望むならフォトグラファーに会って思いを伝える意外方法は無い。

結婚写真におけるキスと打ち合わせの関係





キスをすると王子に戻るカエルがいる。
キスをすると眠りから覚めるお姫様がいる。
それと知らずにキスをする人がはたして何人いるのか?
通りすがるカエルにキスをする変人、仮死状態の女性にキスをする変態。
そうゆう特殊な趣味を持った人はごく稀だ。
だがもし最初から知っていれば話は変わって来る。
結婚式のスナップ写真を頼むのはそんな行為に似ている。
知っているか知らないかが重要なのだ。
知る為には自分の足で赴き、自分の目で見、自分の耳で聞く。
それ以外無い。
だから打合せは大事なのだ。
撮影打合せの無いウェディングスナップはまさに、通りすがりのカエルにキスをする様なものなのだ。
王子に化ける確率は果てしなく低い。

2011年5月11日水曜日

結婚式は必ず青空になる




僕は紅色が好きだ。
が、結婚式と言えば青だと思っている。
空の青には特にこだわっている。
曇りでも雨でも夜でも僕の撮る空は必ず青い。
これは事実とは違うかも知れないが、僕の中での真実だ。
空は青いものなのだ。
そして、結婚式はハッピーなものなのだ。
どんなにどしゃ降りでも雲の上は晴れているし、二人の表情も晴れやかであってほしい。
僕の青はその願いの象徴だ。
この広い世界に青空以外の空を撮らないフォトグラファーが一人ぐらいいてもいい。

結婚式の準備もそのくらいの感じでやると楽かも。

2011年5月6日金曜日

結婚式と花




花。
結婚式と花は切っても切れない関係にある。
もともと西洋のキリスト教式において花は重要な意味を持つのだが、近年ではどちらかと言うと見栄え的な要素が殆どだろう。
ブーケやブートニア、卓上花など花を目にしない結婚式は日本中どこを探しても見付ける事は出来ない。
見栄えも確かにそうだが、写真を撮っていて感じるのは、花にはそれ以上の何かがある。
もっと深いところでの意味が隠れている様に思うのだ。
無意識かも知れないが花を通じて何かメッセージを送っている様に見てとれる。
結婚式がそれだけ神聖なものなのかも知れない。

2011年5月2日月曜日

レストランウェディング





披露宴入場の前は大忙し。
花嫁は化粧直し、新郎は挨拶の見直し、会場担当は最終チェック、etc
僕は会場と二人の間を行ったり来たり。
手書きのメッセージカードがあれば友人が読んでいるシーンを撮らなければならない。
カードだけ撮っても伝わらないからだ。
でも二人も疎かに出来ない。
唯一コピーロボが欲しくなる瞬間だ。
レストランは会場が広くないので何とかなるのだが、ホテルや結婚式場は広すぎてどちらかを選ばなければならなくなる。
苦渋の選択だ。
個人的にはその一組に全ての力を注ぐレストランウェディングが好きだ。
個人宅でも構わないのだが、一つの場所に一組の結婚式というのは基本な気がする。
確かに大きいホテルは交通の便が良かったり、トイレが広かったり、そのまま泊まれたり、
いいところは沢山あるのだが、それでもレストランの暖かさみたいな素朴でストレートな結婚式に対する姿勢をどうしても依怙贔屓してしまう。
当然ホテルでも一組限定のところはある。
ホテルクラスカはいい例だ。
そんな結婚式に対して正面から向合うところとこれからも付き合っていきたい。

ちなみに写真はリストランテASOで撮った時のもの。
当然ここも結婚式と真剣に向き合っている。